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スレイマニヤ県ヒワ病院訪問
イラク北部クルド自治区における小児がん支援活動でのパートナー団体
Kurdistan Save the Children(KSC)のスレイマニヤ本部及びがん専門病院のヒワ病院を訪問しました。
KSCはがんの子どもたちへの心理社会的支援を長年クルド自治区で実施しており、
ヒワ病院においても病院と常に連携して、子どもたちやご家族のケアにあたっています。
JIM-NETとKSCは今年度、
・ヒワ病院への医薬品
・病院までの通院費
・病院付近での宿泊滞在費
の一部を支援する協働プロジェクトを実施しています。
ヒワ病院は公立のがん専門病院として2007年に設立されて以来、イラク全土から多くの患者を受けています。
骨髄移植を受けることがでるイラク唯一の病院であり、小児がんを専門とする医師も複数名在籍していることから様々な地域から患者が訪れています。
ヤード病院長は今のヒワ病院の状況についてこのように語りました。
「現在、ヒワ病院は非常に厳しい状況に直面しています。一番の問題は医薬品不足です。スレイマニヤには、ヒワ病院以外にがんの治療を受けることができる医療機関が他にありません。これが他の地域と大きく異なる点です。
スレイマニヤに住むがん患者の98％がヒワ病院で治療を受けています。当病院への予算は2007年の設立から変わっていませんが、受け入れいる患者数は増加しています。
2007年にはヒワ病院全体で年間約1,000人の患者を診ていましたが、2023年は同じ予算で3,270人の患者を診ています。小児科の患者においては、2007年は約100人、2023年は約250人となっております。言うまでもなく、圧倒的に医薬品が足りていません。本来ならば、品質管理がコントロールされた医薬品を使うべきですが、このような予算不足による危機的状況ではコントロールされていない医薬品を使わざるを得ない状況です。
病院からのリクエストに対して供給率は約50％です。保健省には、病院の現状や予算増額を強くお願いしていますが、残念ながら問題は解決されないままです。また、骨髄移植を受ける患者さんは長期に及ぶ入院が必要です。数か月の滞在中、患者家族が滞在する場所もありません。JIM-NETとKSCが患者家族の滞在費用の一部を負担してくれていることは大変ありがたく、心から感謝しています。小児がんは適切な治療をすれば回復する可能性のある病気です。これからも子どもたちが生き延びるために、協働してほしい。」
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JIM-NETとKSCの協働プロジェクトで支援を受けているナバ（18歳）は現在ヒワ病院で治療を受けています。
歌を歌うこと、聞くこと、そしてサッカー観戦が大好きなナバ。
4年前にサルコーマ（肉腫）を患い、最初に受診した病院では左足の切断が必要だと宣告されました。しかしナバと家族はそれ以外の治療を望み、ヒワ病院を訪れ、ヒワ病院では足を切断せずに治療が行われています。
ナバの父は交通事故に遭い、思うように仕事ができないため、JIM-NETとKSCが病院までの交通費を支援しています。経済的に厳しい状況ですが、ナバの母は「こうした支援をしてくださることに感謝いたします。どうか私たちのような患者や患者家族のためにもヒワ病院への支援の継続をお願いしたい。」と話しました。
イラクにおける小児がん治療を取り巻く状況は、どの地域も逼迫していますが、ヒワ病院が直面する状況も極めて厳しいものでした。
引き続き、イラクのがんの子どもたちが適切な医療を受けれることができるよう、応援のほどよろしくお願いいたします。
https://www.jim-net.org/donate/donation/
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