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シリア人の患者・ハマッド君

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 2014年7月、シリアとトルコの国境にあるコバニとその周辺の町に、過激派組織IS「イスラム国」が進撃を開始し、9月にはコバニ市街地にも侵攻、その後ISを迎え撃つための空爆も始まり、町は大きく破壊されました。トルコ政府はコバニから逃れる人たちのために国境を開き、多くの人々はバスに乗って、コバニを離れました。現在、アルビルのナナカリ病院で急性リンパ性白血病(ALL)の治療を受けるハマッド君とその家族も、当時バスでコバニに逃れ、さらにアルビルに避難してきました。

 家族も知り合いもいない中で、ハマッド君が白血病であると分かったのは2023年1月のことでした。1ヶ月の入院を経て、医師からは骨髄移植を受ける必要があると告げられました。ハマッド君の姉と白血球の型が適合したため、クルド自治区で骨髄移植を受けることができる病院に行ったものの、受け入れてもらうことができませんでした。理由は伝えられなかったのですが、病院側の受け入れのキャパシティーが無かったのではとお父さんは話してくれました。ハマッド君のお家に家庭訪問した際にも、お母さんが「通院費も親戚から借金して、必要な抗がん剤も病院にないから、自分たちで買わなくてはならないから、難民としてここにきて、私は誰を頼ったらいいのかさっぱりわからないわ」と泣き出してしまいました。
 JIM-NETでは、緊急支援としてハマッド君の医薬品購入を支援し、心身ともに疲れ切っているご家族に対しても、丁寧にケアしていこうと話し合っています。

 

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