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シリア国内への医薬品支援を実施しました。

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6月半ば、JIM-NETではシリア国内に対する医薬品支援を実施しました。

今回は10,000米ドル分の一般医薬品を中心とした物資を
現地パートナーであるクルド赤新月社(KRC)を通して購入し、サリカニ難民キャンプやワショカニ難民キャンプなど、国内避難民が暮らすキャンプ内簡易診療所(PHCセンター)に届けました。

シリア北東部では物価の高騰、そしてトルコ軍による侵攻が噂されていることもあり緊張感が漂っていました。
すでに北東部の一部の町や村では越境攻撃がしばしば行われており、タル=タマルなど国境に近い地域からは今も人々の避難が続いています。
ハサカ市など安全な場所に位置する避難民キャンプはすでに定員をオーバーしている状況です。

公共サービスも昨年に比べて少し改善したとはいえ、未だに安定していません。
自治体が提供する電気は日に1時間だけ、地域で共有する簡易発電機を使うことで辛うじて一日に6-7時間分の電気が供給されます。
支援先のキャンプの担当者の話では、ここ数ヵ月、ウクライナでの戦争も重なり支援団体の撤退が相次いでいるとのことでした。キャンプの住民からも、仕事がない中で基本的な生活物資すら満足に買えない窮状を訴える声が多くありました。  
特にこの40℃を超える夏場に水の供給が減ったことで、下痢や発熱、熱中症などの症状を訴える人が増えている現状を目の当たりにしました。
 
シリア国内に対する支援が年々減らされる中で、支援を継続しているJIM-NETに対して多くの感謝の声をもらいました。

今回の支援の途中、以前JIM-NETが支援をしていた小児がん患者の家庭訪問も行いました。
7歳になったハヴァンドくんは元白血病患者で、イラクのクルド自治区で治療を受けた後に家族とシリアに戻りました。
ご両親は治安が不安定ことを危惧し子どもたちを外に出したがらず、ハヴァンドくんも発達障害の影響で公立の学校には通うことができないとのことです。現在、親戚などの援助を受けつつ、支援学校への編入を目指しているとのことでした。

紛争が始まり11年が経ったシリア。報道で目にすることも少なくなっていますが、シリアの情勢は現在も混迷を深めています。ここ数年支援を続ける中で、粘り強く、そして息の長い支援の必要性をJIM-NETは改めて感じています。
今後も支援者の皆さまの気持ちをシリア国内にも橋渡ししていきます。シリアの人々が一刻も早くもとの平和な生活に戻れることを願い、寄り添い続けます。

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