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ヒワのバグダード事務所訪問記 vol.3 ~患者家族のお話
先月、JIM-NETアルビル事務所スタッフで、医師でもあるヒワが
バグダードのJIM-NET事務所を訪問しました。
治安の関係もあり、アルビルのスタッフがバグダードを訪問するのは初めてのことです。
合計3回に分けて、ヒワのバグダード訪問レポートをご紹介していきます。
こちらは第三回目(最終回)のレポートになります。
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今回のバグダード視察で、2名の患者家族とお話しすることができました。
最後に、その家族が語ったことをご紹介します。
ハヤーム・サディクちゃん(6歳)
ラマディ出身の6歳の女の子です。
4年前、お母さんが彼女の腹部にシコリを見つけ、病院で検査をすると
腎芽種(ウイルムス腫瘍)と診断を受け治療を開始しました。
ハヤームは3回の手術を受けましたが、
先日腎不全を起こしてしまい、定期的な透析が必要となりました。
ハヤームのがんの治療のために、彼女の家族はいくつかの医薬品を
病院の外で、自費で買う必要があります。
しかし家庭は貧しく、すでに3ヵ月以上医薬品を購入できていません。
お医者さんはまた、彼女が手術の必要があることも伝えていますが、手術費も払うことができません。
ムハンマド・ムスタファ・アフマドくん(3歳)
アンバール県のファルージャ出身です。
2歳の時にお母さんが彼の頭にしこりがあることを見つけ、病院に連れて行きました。
そしていくつかの検査の結果、神経芽腫との診断を受けました。
彼はすぐに手術を受け、腫瘍は摘出されましたが、その後再発。
現在は1ヵ月近く入院し治療を行っています。
家族はファルージャに暮らしているため、お母さんだけがムハンマドに付きっきりで看病をしています。
病院内にない医薬品も治療のために処方されており、お母さんは外の薬局で
購入する必要がありますが、家が貧しく、高額な医薬品は買うことができません。
たまにバグダードに住む親戚が支援をしてくれますが、必要な医薬品を全て賄うことはできていません。
また、ムハンマドが成長すれば新たに手術が必要であると、医師から伝えられています。