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今年のチョコ缶になったナブラスの家庭訪問記

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10月2日、ババガヌージュのメンバーであるSUGIZOさんとローカルスタッフのリームと共にドホーク郊外のある家族の家を訪問してきました。
その家族の家に到着するとまず目に入ってくるのは壁にかけられた1枚の少女の写真でした。
彼女は2016年1月にこの世を去ったナブラス(享年14歳)

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「ナブラスが生きていたら19歳になるくらいかしらね・・・。ナブラスが亡くなって以来、思い出さない日はないわ。」
ナブラスの写真を遠くに見つめながら母はか細い声で吐き出すように呟きました。
ヤズディ教徒のナブラス一家が住んでいたシンジャールはIS(イスラム国)によって襲撃されたのは2014年のこと。骨のがんに苦しんでいたナブラスとその一家は命の危機を感じ、決死の覚悟でシンジャールを後にし、ドホーク郊外へと避難しました。隙間風が強く入り込むコンクリートの家でナブラスは息を引き取りました。

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それから3年半の月日が流れ、我々が訪問したナブラスの家には新しい“ナブラス”が誕生していました。亡くなったナブラスの兄が結婚し、生まれてきた女の子にナブラスと名付けたのです。「妹を忘れないために同じ名前を付けたんだ。」幼い“ナブラス”はどこか亡きナブラスの面影を感じさせました。ヤズディ教徒としての生き難さ、戻ることが出来ない故郷への想い、そして忘れ得ぬナブラスの死と共に生きる家族にとって彼女の存在は希望だと言います。

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闘病中にナブラスが描いたポインセチアの絵は2016年JIM-NETチョコ募金のチョコ缶となり、今年は同じチョコ缶が復刻版として採用されます。がんの子どもたちを応援してくれているSUGIZOさんと共に音楽交流や難民キャンプでのライブ同様に、その地で起きていることの一端を少しずつ皆様にもお伝えしていければと心新たにナブラス一家の家を後にしました。

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写真/c︎KEIKO TANABE

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