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「ヤズディの祈り-林典子写真展」@立命館平和ミュージアムが開催中(~7/16まで)
立命館平和ミュージアムで「ヤズディの祈り-林典子写真展」が開催中です。
http://www.ritsumei.ac.jp/…/spec…/2018/exhibition2018_1.html
写真はかなり大きく引き伸ばしてあって、まるでイラクにいるように思えてきます。是非、京都まで足を延ばして見に行ってほしい企画展示です。
6月2日、事務局長の佐藤真紀が写真展にちなんで、「支援で出会ったヤズディの人々」と題して講演させていただきました。
JIM-NETの支援は2014年の8月にISがシンジャールを攻撃し多くの避難民が出てきた時に、以下の支援をしました。
1)場当たり的な緊急支援を開始。給水支援、越冬支援など
2)性暴力被害者への医療支援
3)避難してきた小児がん患者の支援
1)2)の活動を支えてくれたヤズディのハナーンさんも、今はドイツで難民として暮らしています。
支援活動で出会った人々の紹介をしながら、支援の在り方について皆さんと一緒に考える時間を過ごさせていただきました。
一区切りついた緊急支援の後に残されたものは何か。
ヤズディに起こった大惨事は、ISが突然沸き起こり大惨事をもたらしたというものではなく、イラク戦争にさかのぼり、日本を含めた国際社会が自分たちが都合のいいようにシナリオを描いたにもかかわらず、現場を無視していたから、ISのようなものが支持される基盤を作ってしまった。
さらにISが出てくると、もっと突飛なシナリオが作られ、ISが滅び、すべては終わったというような正義が勝ったようなスト―リー展開になっています。
やはり、人類の共存や、共生、平和というものが実は理想論であり、いかに実現するのは難しいかということ。国際社会は、国家という単位で最悪の状況にならないように和平を探っていくとしたら、犠牲になりやすいのが少数民族ということになります。しかし、現場をミクロで見ていくと、宗教や部族といったコミュニティレベルでの停戦や、和解のプロセスがあり、最悪の状況になるのを防ぐような免疫力を持っているような気がします。だからこそ、絶望的にならずにいられるのではないでしょうか?
私たちのような小さなNGOができることは何かというと、ミクロな動き方がまずできること。そこで、出会った人たちを助けること。そのことを続けていくことが、コミュニティの免疫力を高めていくことなのかなと考えています。
佐藤真紀