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【モスル支援】アーデル君4歳
先週私は、ナナカリー病院でアーデル君のお兄さんにあいました。
彼は、薬の処方箋をもって、「JIM-NETの人ですね」と話しかけてきました。
「そうですよ。なんでしょう?」というと、
「薬を買わないといけないんです。この小さな弟のために。でもそんなお金持っていません。どうしていいかわからない。助けてください」
と押し迫った様子でした。
彼が握りしめていた薬の値段はなんと5万円。
ともかく話をきこうとインタビューをしました。
4カ月間に、アディールはモスルのバイジという村にいました。
バイジはISISが占領していたところです。
イラク軍との激しい戦闘が続いていました。
家族は逃げることができませんでしたが、イラク軍がその地域を解放すると、彼らはガイヤラという場所にイラク軍に連れてこられました。
そこには、キャンプがありました。
しかし同時にアーデルは病気になったのです。
ガイヤラは、薬もなく、専門的なお医者さんもいません。
そこでアルビルに行くことを進められました。
アルビルで検査をすると腫瘍が広がっていることがわかり手術で取り去ることになりました。
今は、コシュタパというアルビルの郊外で家を借りて住んでいます。
16人も子どもがいました。
お父さんは、日雇いの仕事をしており、家賃は200$だったのを100$にまけてもらいました。
親戚からも援助してもらい何とか暮らしています。
モスルにある家が、今どうなったのかわかりません。
イラク軍はISISから奪還はしたものの、民間人が戻ることはまだ許していまいとのことです。
JIM-NETはアーデル君の薬代を全額支払ってあげました。(文 アーデル)
事務局長の佐藤です。
今日は現地からローカルスタッフの報告を紹介しました。
ISISとの戦いは終わり関心も薄れてしまっていますが、がんの子ども達は、家に帰ることもなく、何とか病院のあるアルビルまで避難してきても病院には薬がなく、自分たちで買わなくてはなりません。
JIM-NETがカバーできる薬も十分ではありません。是非チョコ募金に協力してください。
今日は、JOICEFで行われた、「グローバル・ヘルスとNGO」という学習会に参加してきました。
ユニバーサル・ヘルス・カバレッジという言葉があり、
(1) <すべての>人々が、
(2) <必要とする>保健サービスを
(3) 支払いの際に経済的な困難に<苦しめられる>ことなく
(4) <確保している>状態。
だそうです。
こういう話になると得てして公衆衛生とか、生活習慣病とかが取り上げられ今日の話は、草の根的にそういう状態を作ろうということになり、薬に頼らない健康づくり運動を行政と市民が力を合わせてやっていきましょう。
そのことで財政も圧迫せず。。。というストーリーが成り立ちます。
しかし、がんの場合は、決められたプロトコールがありそれをきちんとやること10種以上の薬が常に、貧困患者や難民であっても経済的な負担がなく、利用できる状態をどう作るか。国が脆弱で、きちんとできないなら、寄付文化でそれをカバーしていくのか、よくわかりません。
イラクでは、タバコの税金をがんの薬にしているという話も聞きましたが、そういう特定の税金をかしていくのも一つの方法かもしれません。もう少し勉強してみます。