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ヨルダンのシリア難民支援

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ヨルダンで実施しているシリア人の負傷者・障害者のための移送サービスの利用者を紹介します。

ヨルダンには、シリア内の紛争で大けがをした人たちを受け入れるシステムがありましたが、昨年6月にヨルダンとシリアの国境で「自爆テロ」があってヨルダンは国境を完全封鎖、重傷者の入国もなくなりました。そのため、ケガの治療で移送サービスを使う人の数もだんだん減っていくだろうと予想していました。が、国境閉鎖から1年たっても利用者数は減っていません。

今このサービスを利用するのは、1年以上前のケガでまだ治療やリハビリが必要な人たちです。中には難民として落ち着かない間に治療から離れてしまった人もいます。

写真で車いすに乗るモハンマド君は11歳、シリアのホムス出身です。一緒にいるのはお父さんとお姉さん。4歳の時、近くにたる爆弾が落ちてきて上半身に金属片をたくさんあびて特に頭と首に大けがを負い、下半身まひと言語障害、それからおそらく知的障害が残りました。一緒にいたお兄さんも彼をかばって左半身に同じく金属がいくつも刺さり、大やけども負ったために、今も左腕が曲げられません。

彼らはホムスで治療を受けていましたが、その後戦闘が激しくなり、家も失って、4年前にヨルダンに来ました。それからモハンマド君もお兄さんも病院には行かなくなってしまったそうです。

モハンマド君は一度も学校に行ったことがありません。ケガをする前は、知らない人にでも話しかける陽気な男の子だったモハンマド君のために、お父さんはヨルダンの学校に交渉したそうですが、障害を理由に受け入れられず、家も転々としたのであきらめてしまい、モハンマド君は字を読めないままです。でもケータイはできます。IT世代ってすごいですねー。ケータイでお母さんに電話できるし(お母さんの顔を認識して操作)、写真も撮れます(私の写真も撮ってくれたんだけどそれをもらうの忘れてお見せできず残念)。ちゃんとリハビリや教育が受けられていたら可能性は本当に大きいと思います。

今は移送サービスを使って週に2回リハビリに通っていますが、理学療法士は、「今からでは二次障害を防ぐのと現状維持が精いっぱい」と話しています。彼の今の家は半年の約束で借りているそうで、次にどこに住むかはまだ決まっていません。もし、すごーく遠くに引っ越したらリハビリも続けられなくなるかも。移送サービスの運転手サミールさんは「どこでも行くよ」と言ってくれますが、あんまり遠くではモハンマド君にも負担になるし、心配です。次の家の近くにリハビリができるところあればいいけど、最近は無償でサービスを提供するところも次々と閉鎖しています。紛争が長すぎて資金が集まりにくくなっているんです。

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