現地支援レポート

2017/04/21
【届けられなかった薬】


 先日、JIM-NETハウスにある患者のお父さんがやってハマダーニさん➁きました。
エルビルの外れに住むハマダーニさん一家は13人家族、子どもが11人いる大家族です。ここ数ヶ月、彼の家族に次々と悲劇が襲いました。

 今年初め、ハマダーニさんの娘が夫所有の銃を拭いていたところ、誤ってその銃を撃ってしまい妹に命中、その妹は亡くなってしまいました。それを目の前で見ていた他の妹イーランさん(15歳)はショックを受けてうずくまるほどだったといいます。
 その直後、あまりにも肩を痛がるイーランさんを見て両親は不審に思い、病院に連れていきました。血液検査の結果、彼女の血液から癌が見つかりナナカリ病院へと搬送、再検査の結果「急性リンパ性白血病」であることが判明し抗がん剤治療がすぐに始まりました。
 

 しかし彼女の家は裕福ではなく、薬を買うことに苦心していました。抗がん剤治療を2日受けるだけで50ドル、また家族が病院へ来るだけで交通費往復35ドルもの費用がかかります。
※このような事情を抱える患者家族は決して少なくありません。

 経済状況に鑑み、JIM-NETでも医薬品の支援をしようと考えていた矢先、彼女のお父さんから一本の電話が。
「イーランが亡くなったよ。」
その言葉にスタッフ一同、大きな衝撃を受けました。
4月8日の深夜、胸の苦しみを訴えそのまま息を引き取ったそうです。
あまりにも急の出来事でした。

 限られた予算の中で医薬品購入の支援を行っている中、どうしても全員には支援が行き届きません。
「どうしてあの時...自分のポケットからでも支援してあげなかったのだろう。」と肩を落とすスタッフもいました。
 
 後日、お父さんのハマダーニさんがJIM-NETハウスに来て、亡くなった当時の話を聞かせてくれました。
「家族で、朝まで泣き崩れてたよ。立て続けに2人の娘を亡くすなんて、、、言葉がない。もっとしっかり薬を買えていれば」と言葉を詰まらせる場面も。
未だ返済しきれていない医薬品代の一部をJIM-NETで支援しました。

 イラクの病院では慢性的に医薬品が不足しており、病院の薬局に薬がない場合は外の薬局で購入しなければなりません。JIM-NETでは貧困患者の家庭へ医薬品支援を続けています。
少しでも多く彼らに医薬品を届けられたらと思っております。

 ご協力の程、よろしくお願い致します。
「イラク小児がん支援」http://www.jim-net.org/support/donation.php

ハマダーニさん①


(斉藤)

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